大腸がん
大腸がんは、腺腫という良性腫瘍の大腸ポリープががん化して発生するものと、直接がんとして発生するものがあり、腺腫から発生するがんはポリープを切除することで将来の大腸がん予防につながります。直腸とS状結腸に発生しやすい傾向があるなど、大腸がんと大腸ポリープには強い関連性があり、危険因子も共通しています。また遺伝的な影響もあると考えられているため、血縁者に大腸がんになった方がいる場合はリスクが高いと言えます。
最初、粘膜表面に現れたがんは、進行につれて大腸壁の奥に浸潤していき、やがて大腸壁の外に広がる、腹腔播種でがんが広範囲に散らばる、血管やリンパ節を通じて肝臓や肺などに転移する可能性があります。定期的に大腸内視鏡検査を受けて前がん病変である大腸ポリープを切除することで大腸がん予防につながりますし、切除は検査中に行うことができ、入院も必要ありませんから、お身体へのご負担も最小限に抑えられます。
症状
肛門に近い部分に発生して表面がぜい弱で出血しやすいケースであれば血便で早期発見につながることもありますが、ほとんどの場合はかなり進行してからでないと自覚症状が現れることはありません。一般的に大腸がん検診として行われることが多い便潜血検査は消化管のどこかから出血が起きているかどうかを調べるだけのものなので、陽性であっても確定診断には内視鏡検査が必要ですし、痔などが原因で起こっていることも多いのです。また、便潜血検査では早期の大腸がんや前がん病変の大腸ポリープの発見は難しいだけでなく、進行した大腸がんを見逃してしまうことも珍しくありません。実際に便潜血検査では早期がんの50%は見逃され、進行がんも20~30%は検知できないというデータも報告されています。