大腸カメラ検査(大腸内視鏡)

大腸内視鏡検査について

大腸内視鏡検査について内視鏡スコープを肛門から挿入して直腸から盲腸までの大腸粘膜全体を直接観察することが可能です。小腸の一部を観察する際にも使われます。当院では、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医が検査を担当しています。がん研究会有明病院で多数の検査を行ってきた経験を活かして、丁寧で正確な検査を心がけています。微細な早期がんや前がん病変も発見できるようオリンパス社製の特殊光(NBI)・拡大機能を備えた最新内視鏡システムを導入しています。高精度の検査を短時間に行うことで、患者さまへのご負担が軽減するように努めています。

大腸カメラの特徴

特徴1内視鏡の検査・手術はすべて日本消化器内視鏡専門医・指導医が行います

内視鏡の検査・手術はすべて内視鏡専門医・指導医が行います当院の内視鏡検査、手術はすべて日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本大腸肛門病学会専門医、指導医が行います。大腸内視鏡件数も10,000件程度経験しており、ポリープ切除術、粘膜切除術も1,000例程度、当院では施行していませんが内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic submucosal dissection)も800例程度経験しており精度が高く、苦痛の少ない内視鏡検査、治療を行います。

特徴2検査時の苦痛を抑える様々な配慮

当院の大腸内視鏡検査では苦痛を少なくする工夫を行っております。

鎮静剤・鎮痛薬を使用して痛みに配慮

個人差がありますがこれにより検査に対する痛み、苦痛が和らぎます。

炭酸ガス送気を使用

炭酸ガス送気を使用炭酸ガスは腹腔鏡の手術では普通に使用されております。
主に大腸内視鏡は送気を行い検査、観察をするのですが、これの空気により検査中、検査後の腹部膨満感、吐き気等が出現することがあります。
普通の大気中の空気より約100倍吸収が早く、検査中、検査後に出現する腹部膨満感、吐き気を軽減します。

受動湾曲機能がついたスコープを使用

以前のものだとスコープの関節が1個しかなかったものが最新のスコープでは受動湾曲機能がついております。これによりスコープを押すことによりステッキ現象という状態が起こり、これにより腸管が押されて痛みが起こるのですが、受動湾曲によりステッキ現象を防ぐことができ疼痛を少なくします。

先端フードを使用

様々な意見がありますが先端フードを装着して検査することにより大腸のひだの裏の観察を容易とし、病変の見あとなるので送気が少なくなるメリットもあります。

苦痛を抑えた挿入法

苦痛を抑えた挿入法さまざまな挿入法がありますが当院では軸保持短縮法と体位変換をあわせた挿入法を行っております。体位変換とはまずは左側臥位で肛門よりスコープを挿入するのですが、S状結腸に到達した時点で体位を仰臥位にいたします。仰臥位になることによって重力でS状結腸の屈曲をなくし、挿入を容易にし、屈曲部を通過するときに出現する疼痛を軽減いたします。
通常2分程度で深部大腸に到達いたします。

特徴3リカバリースペースでゆっくりお休みいただけます

リカバリースペースでゆっくりお休みいただけます大腸内視鏡検査で鎮静剤を使用された方は、検査後にお休みいただけるリカバリースペースをご用意しています。鎮静剤・鎮痛薬が体から抜けるまでの間、リラックスした状態で安心してお休みいただけます。

特徴4オリンパスの最新内視鏡システムを導入

オリンパスの最新内視鏡システムを導入通常大腸内視鏡の深部大腸への挿入時間は約2分~5分で、深部まで挿入して、引いてくるときに観察を行っております。海外の論文では観察が6分未満と6分以上でADR(adenoma detection rate)に差があり6分未満だと病変見逃しが有意に多いと報告されております。
当クリニックでも観察時間は6分以上かけて行い、1件当たりの検査時間はおおよそ8~10分となっております。
またスコープには拡大機能、特殊光NBI観察の機能が搭載されており、病変に対して詳細な観察が可能で腫瘍、炎症等の質的診断と腫瘍(癌)であれば深達度診断にて癌の進行度の診断が可能でそれにより内視鏡的治療あるいは外科的治療等の適応を判断し治療可能な連携医療機関を紹介いたします。

特徴5ハイビジョン大型モニターで診察

ハイビジョン大型モニターで診察検査中は大型ハイビジョン液晶モニターでリアルタイムに粘膜を観察しています。大きな画面で高精細な画像を確認できるため、詳細な検査と適切な診断が可能になります。このモニターは角度や光によって反射や映り込みを起こすことがなく、正面以外から見ても画質が損なわれないため短時間に精密な検査が可能になります。ご希望があれば、検査時に患者様ご自身がモニター画面を直接ご覧頂くことも可能ですので遠慮なくお申し付けください。

特徴6検査時に見つけたポリープはその場で切除

検査時に見つけたポリープはその場で切除大腸ポリープはその場で切除いたします。
比較的小さいポリープの場合にはcold snare polypectomyを行います。
これはポリープをスネアにて絞扼したあと通電せずにそのまま切除する方法です。
また少し大きなポリープや血管が含まれているポリープに対しては局注をしてからスネアリング、通電して切除を行う内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic Mucosal resection EMR)を行っております。切除部位の創部が大きい場合、または後出血のリスクがある場合は創部に対してクリッピングを追加いたします。クリップはおおよそ1週間で便とともに排泄されます。
(例外としてポリープの大きさ、形態によっては入院での治療が必要になることがあるのでその際は治療可能な連携医療機関を紹介させていただきます。)

特徴7受診当日の大腸内視鏡検査が可能

遠方の方や仕事等でご多忙の患者様にも検査が受けやすくするためにネット予約あるいは電話での予約にて当日での大腸内視鏡検査枠を設定いたしました。
前日21時までに消化のよい食事(野菜等は避けてください)を済ませて、当日9時30分、10時にクリニックに来院したら診察後にそのままクリニックにて水2000ml+下剤を内服して、午後に大腸がきれいになったら大腸内視鏡検査を施行します。

特徴8オートクレーブで感染症に配慮した安全な検査

受診当日の大腸内視鏡検査が可能検査で使用する器具について、使い捨てできるものはできる限りディスポーザブル製品を用い、それ以外の処置具などは検査毎に洗浄と滅菌を徹底して行っています。洗浄と滅菌は学会で定められたガイドラインに沿って行っています。

特徴9土日も大腸内視鏡検査が可能

当院では土日での大腸内視鏡検査、大腸ポリープ切除が可能です。

特徴10胃・大腸内視鏡の同日検査が可能

当院では、胃内視鏡と大腸内視鏡の同日検査を行っています。
検査を一日で行うので、事前の食事制限や当日の準備も一度で済みます。通院回数も減らせるため、お忙しい方にオススメです。

大腸カメラ検査でわかる疾患

大腸がんは男女ともに近年、発症率・がんによる死亡率が上昇し続けていますが、早期に発見できれば完治可能な病気です。前がん病変は切除することで、大腸癌の予防につながります。早期の大腸がんや前がん病変である大腸ポリープは自覚症状がほとんどありません。そのため早期に発見するためには、症状がなくても定期的に検査を受けていただくことが重要となります。大腸がんは加齢の他、飲酒や喫煙、食習慣、運動不足などの生活習慣が大きく関わっているため、発症リスクの上昇しはじめる40歳を超えたら定期的な大腸内視鏡検査を受けることをおすすめしています。
検査を気軽に受けていただく方が増えることで、大腸がんで大変な思いをされる方を少しでも減らしたいという思いから、当院では、苦痛を抑えて楽に受けていただく大腸カメラ検査を行っています。

検査で見つかる主な疾患

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • 過敏性腸症候群
  • クローン病
  • 虚血性大腸炎
  • 大腸憩室

など

検査を受けるタイミング

検査を受けるタイミング厚生労働省は最近、がん統計において、男女合計の罹患数1位は大腸がんであり、最近20年間で、大腸がんによる死亡数は1.5倍に増加したことを公表しました。
大腸がんは、早期のうちに診断・治療がなされれば、100%近くの方ががんで死亡することなく助かります。つまり大腸がんは、定期的な内視鏡検査により予防できるということです。そのため大腸内視鏡検査は、30~40才の間に一度は受けておくことが望ましいとされています。

以下に当てはまる方は、一度検査を受けましょう

  • 大腸がんになった親族がいる
  • 潰瘍性大腸炎やクローン病などの大腸疾患がある
  • がんの既往歴がある
  • 大腸にポリープがある

大腸カメラ検査の流れ

Step1診察

診察大腸内視鏡の場合は下剤による前処置が必要になります。
診察をしてから予約、前処置の説明となります。
内視鏡前の感染症チェックの採血を行います。(HBs抗原、HCV抗体、梅毒)

Step2検査前日

検査前日特に指示がなければいつも通りお薬を飲んでいただいて構いません。
食事は野菜等繊維質のものを避けていただき、21時までに済ませ、それ以降はお水とお茶以外、摂取しないようお願いします。また、21時頃に下剤(センノシド 2錠)を服用します。

Step3検査当日

検査当日

  1. 検査当日の検査4時間前から、大腸をきれいにする目的で下剤(ニフレック)2リットルほどを数回に分けて飲みます。(原則的には自宅にて飲んできていただきますが、高齢者、または遠方の患者さんにつきましては院内での下剤内服も行っております。) 当日大腸内視鏡検査(ネット)の方は検査当日診察をうけてからそのままクリニックにて下剤を内服しておおよそ4時間後に便がきれいな状態になった時点で即日大腸内視鏡検査を行います。 鎮静剤を使用するため車、自転車の運転は避けてください。
  2. 当院に来院し、腸管内がきれいになったことを確認してから、検査着に着替えます。
  3. 次に点滴の針を挿入します。
  4. 検査室に移動してベッドの上で左側臥位になります。
  5. 鎮痛薬、鎮静剤、鎮痙剤を点滴の側管より注射します。
  6. 肛門にゼリーを塗り、滑りをよくしたうえで検査を開始いたします。
    検査は10分~20分(ポリープ切除の有無で変わります)で終了します。

Step4検査終了後

検査終了後鎮静剤を覚ます拮抗薬を投与したのちにリカバリーベッドに移動し、30分~1時間休んでいただきます。

Step5検査説明

検査説明休憩が終了後診察にて当日の結果を説明いたします。
検査所見、画像もその場でお渡しいたします。
(ポリープ切除、生検施行した際には検査結果が1週間程度かかるため再度1週間後に検査結果を説明いたします。)

Step6帰宅後

飲食は1時間後から可能です。 当日の飲酒や運動は控えるようお願いします。
ポリープ切除をした場合は、当日はゼリー、豆腐、プリン、翌日から腹痛、出血がなければ、消化の良いものから食事が摂れます。
ポリープ切除後1週間は飲酒、激しい運動、いきみなどは控えるようにお願いします。

検査費用

1割負担 3割負担
大腸内視鏡検査 約2,500円 約7,500円
大腸内視鏡+病理検査 約3,000円 約10,000円
大腸ポリープ切除術 約8,000円 約20,000
~30,000円
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