晴海3丁目クリニックです。
最近腹痛、便秘、血便精査目的で下部消化管内視鏡検査を行うと虚血性腸炎の所見である患者さんが増えてきました。
虚血性腸炎とは大腸に血液を送る動脈(上腸間膜動脈、下腸間膜動脈等)の血流が阻害されることによって引き起こされる疾患です。
主に心臓や血管の病気がある方に比較的多く見られる疾患で60歳以上の人に多く発症します。
また症状としては便秘の後に激しい左~下腹部痛。その後下痢、血便と続きます。
大腸内視鏡所見では主に下行結腸~S状結腸に限局性に粘膜浮腫、びらん、潰瘍、出血等が見られます。
またCTでは同部位での腸管粘膜浮腫が見られることがあります。
治療は絶食、腸管安静、鎮痛剤、整腸剤等内服にて経過観察にて大部分は軽快いたしますが、時々腸管壊死をきたし手術を検討される症例もあります。
当院でも可能であれば下剤内服にて下部消化管内視鏡検査にて確認をしますが、ある程度下痢をして、ほとんど便が出ない症例に対しては、前処置なしで速やかに炎症部位のみ観察して診断することがあります。
ほとんどは内服薬処方にて自宅にて経過観察をいたしますが、炎症の程度が重度で広範囲であった場合は入院加療が必要な施設に紹介することもあります。
上記のような症状で虚血性腸炎等が疑われる場合は一度お問い合わせください。