晴海3丁目クリニックです。
1か月前ぐらいに胃アニサキス症が150例に到達したと報告いたしましたが、最近の胃アニサキス症の増加にて160例に到達いたしました。
当院での特徴を少しまとめて見ました。
(原因 食材)
やはりしめさばが多いです。
その他 カツオ サーモン きんめ たい しまあじ さんま いさき ひらめ
ます いか
(調理法)
刺身
しめたさば
寿司
カルパッチョ
あぶり
低温処理等々
(感染に至った経路)
寿司屋さん等の店舗(回転寿司よりはカウンター等で握ってもらう店舗のほうが多い印象)
スーパーで購入した刺身
自分で釣ってきた魚を調理した等多岐にわたります。
(症状)
上腹部痛
上腹部違和感
吐き気
蕁麻疹(5%もいない印象)
(曜日)
半数が土日に集中しており、他院が土日に診療、内視鏡検査を行っていないこと等が考えられました。
(腹痛出現からの時間)
1日以内半数
2日目 3割
3日目~ 2割
(受診の経緯)
〇他院よりの紹介
〇他院にて胃薬を処方されたり、救急病院にて採血、CT検査をして異常がなかったが腹痛が改善しなかった
〇自身でアニサキスと診断してインターネット、google、yahooにて検索
〇突然の上腹部痛で当院にて診断
〇同じものを食べた人がアニサキスで同じ症状が出現した。
(患者様の居住地域)
〇中央区が半数以上
〇江東区が2~3割
〇あとの2割は都内全域、千葉県 ごくまれに埼玉県、神奈川県
(食材を食べた地域)
中央区、江東区が多数ですが詳細は控えさせていただきます。
(性差)
やや女性が多い印象
(アニサキスの数)
1匹が8割
2匹以上が1割
0匹が1割ぐらい(以前ならアニサキス虫体を確認しないとアニサキスの診断には至らなかったですが、症例を見ていくうちに胃の粘膜所見 (浮腫、びらん等)でアニサキスと診断できるようになりました。 最近では粘膜の浮腫、発赤、びらんを見てアニサキス症とある程度診断してからアニサキス虫体を探すようになりました。)
(部位)
食道胃接合部 1割
胃大湾5割
前壁1割 後壁1割
胃角 前庭部 小弯 1割ぐらい
(ヘリコバクターピロリ感染)
明らかにピロリ感染は少ない印象あり
かなりマニアックになってしまいました。
症例数以外はいずれも印象が多いため今後は時間を作って内視鏡レポートシステムよりdataにして統計をとっていきたいと思います。(ただ倫理上の問題があり学会等の発表は困難かもしれません。)